インタビュー

フランクな会話から生まれた国際共同研究成果

大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻
林研 博士後期課程2年 宮崎 雄大 
留学先:フランス ストラスブール大学 (Dr. Jean Weiss)
留学期間:2016年4月24日?2016年7月20日

留学先での研究成果が国際共同研究に発展

もともと林研では、小分子とタンパク質を組み合わせて、新しい反応をつくりだす研究を進めていました。天然酵素のモデルを小分子とタンパク質から構築し、自然界での酵素の働きを探っていました。
フランスのストラスブール大学に留学したのは、林先生からのご紹介があったからです。留学先では、新たに立ち上げた研究テーマに取り組みました。2016年のノーベル化学賞の受賞対象となった、「超分子構造体」を新しい製法でつくり出す、有機合成化学の研究です。
この研究が予想以上にうまく進んで研究成果を出すことができたので、両方の先生に「続けさせて欲しい」とお願いして、帰国後も国際共同研究として続けさせていただけることになりました。

研究成果の論文が学術誌の表紙を飾る

帰国してからの研究成果は、最終的には論文として学術誌に発表することができました。これが、新しい合成法でつくったロタキサンという化合物です。フランスでスタートした研究テーマを日本に持ち帰って、国際共同研究として研究を発展させ、このようなかたちで学術誌のカバーピクチャーにも採用していただくことができたのです。日本とフランスの研究室のコラボレーションからうまれた研究成果です。

学術誌「CHEMISTRY A European Journal」の表紙に採用されたカバーピクチャー

アフター5は学内のバーで語り合う

フランスの研究室の皆さんは、日本に比べて、ゆったりと余裕を持って研究を進められている印象が強かったです。どんな結果が出ても、すごく楽しそうに研究を進められていたことも忘れられません。具体的には、朝8時から夕方5時ぐらいまで研究に集中して、そのあとは大学構内の学生が運営しているバーにみんなが一緒に行って、先生も学生もざっくばらんに話をする。もちろん、研究の話もします。そういうところはすごく新鮮でしたし、フランクな感覚で意見交換をすることが、研究に好影響があったと思います。阪大にはない文化ですね。

指導教官のDr. Jean Weiss(右)とDr. Jennifer Wytoko(真ん中)夫妻と宮崎さん

国際学生寮での快適な留学ライフ

フランスでは国際学生寮で暮らしていました。バス・トイレ・キッチン付きのワンルームタイプで、とても快適でした。家賃は1ヶ月あたり5万円ぐらい。私の場合、ストラスブール大学が募集していた海外研究者育成のためのインターンシップに採択されたので、向こうの大学からお給料もいただくことができました。

「ハウルの動く城」のモデルにもなった、Colmarの街並み。ワイン造りで有名

ワイナリー巡りで、ワインに目覚める!?

留学先の大学があった場所は、ドイツとフランスのちょうどまん中あたり。ドイツ的な文化が残っている地域でした。ワインが有名なアルザス地方にあるので、ぶどう畑やワイナリーも多い。休日には、フランス語の話せるカナダ人の留学生と一緒にワイナリー巡りにも行きましたが、とても美味しかったですね(笑)。それまでは、ワインはあまり飲まなかったのですが、フランスでチーズと一緒にワインをいただいてから、ワインが好きになりました。
専攻内でのサッカー大会も楽しかったです。指導教官の先生(50オーバーのはずですが。。。)も我々と一緒に走り回って、サッカーを楽しまれていました。

専攻対抗のサッカー大会にはラボ全員で参加

留学後は研究の効率性を意識

留学から帰ってきてからは、研究に関してのフランクな意見交換を心がけています。あとは、研究の効率性を考えるようになりました。これまでは、一生懸命やってても、間延びしているところがあったことに気付かされましたので、短時間で集中して計画的にやるようにこころがけています。

進路

博士課程修了後は、民間企業に就職する予定です。大学に残ろうかと考えたときもあったのですが、どういう形で研究成果を社会に還元していくのかという、研究の出口部分を追求したいと思い、企業への就職を選びました。私はライフサイエンスやヘルスケアといった分野に興味を持っているので、材料や機器開発の面から医療に貢献していきたいと思っています。

研究に打ち込む宮崎さん

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