インタビュー

学部卒業生プチ座談会
「見つけるのは誰だ?」

大阪大学工学部
応用自然科学科応用化学科目
4年(2021年4月から修士課程1年) 福井 健斗(菊地研)、福田 渓太(菊地研)、吉村 康孝(菊地研)

3月24日大阪大学工学部の学位記授与式がとり行われました。応用自然科学科応用化学科目の卒業生の多くはそのまま大学院に進学するために、意外とサバサバとした落ち着いた雰囲気。記念撮影の後、大学院に進学予定(いずれも菊地研)の学士卒業生3名にお話をうかがいました。

左から吉村さん、福田さん、福井さん

「まずは、学部を卒業された今の気分を」

吉村■
大学を卒業したという実感は、あまり湧いてこないですね。すぐに大学院の授業も始まるので、あまりのんびりもしていられないぞ、という感じです。

福井■
卒業してすぐに大学院での研究生活が始まり、1年下の学部4年の学生が研究室に配属されてきます。自分自身で教えられることは、ちゃんと教えてあげたいなと思っています。

福田■
私は卒業論文の提出を終えて、ひとまず安心しました。卒業式が終わった今は、結構ホッとしている状態ですね(笑)。

皆さんが化学の道に進んだきっかけは?

福田■
あまりハッキリした理由はなくて・・・、私は入学してから化学か生物かどちらかを選ぼうと思って、応用自然科学科に入学しました。両方の科目に進まれていた先輩にいろいろな話を聞きながら、最終的には応用化学を選びました。化学の方が就職するときの選択肢が広そうだったことが決め手になりました。

吉村■
私は父親が元々化学をやっていたこともあって、大学受験のときから化学に決めていました。ですので、応用化学科目に進む前提で工学部の応用自然科学科に進みました。

福井■
私は中学生ぐらいから、犯罪捜査に興味がありまして・・・警察の鑑識ですね。犯罪捜査には科学的な知識が必要ですから、化学の道に進めば、犯罪捜査に関する知識が深まりそうだなという想いが、そもそも化学に興味を持ったきっかけでした。いろいろな分野の科学の基幹として、化学という学問を突き詰めたいなと思っています。 もともと、そんなきっかけでしたから、実は司法試験合格も目指しています。

応用自然科学科のカリキュラムはいかがでしたか?

福井■
1、2年の時は授業が忙しかったですが、しっかり単位を取りました。なので、あとはゆとりを持って、自分のしたいことができました。

吉村■福田■
(声を合わせて)我々はギリギリー!!(笑)

吉村■
卒業に必要な単位数はわかっているので、福井君みたいに2年までにたくさん単位を取ることができれば、3年は休めるわけです。私はなかなか取りきれなかったので、3年も結構授業が多かったです。

福田■
頭ではわかっていても、カラダがなかなかついて来ない。結構キツかったです。

授業以外で取り組まれたことは?

福田■
私は体育会のバレーボール部に入っていて、ポジションはオポジット(ライト)をやっていました。リーグ戦を目標にした豊中キャンパスでの練習は結構厳しかったですね。普通は4年の春まで現役なんですが、新型コロナウイルスの影響もあって、3年で引退しました。練習がない時は、コンビニでバイトをしていました。

鋭い眼光で相手コートを見つめる福田さん

吉村■
硬式テニスサークル「ICTC」で週3ぐらい活動していました。その傍ら、飲食店でバイトもやっていました。3年までは授業の後に、研究室に配属されてからは休みの土日にバイトに励んでいました。

福井■
中高はバスケとサッカーで部活漬けの毎日だったので、大学入学後は図書館でフランス文学にどっぷり浸かりました。小学校の頃に読んだ「哀しみよこんにちは」が面白くて、そこからフランス文学に興味を持ち始めました。

菊地研での研究生活はいかがですか?

福田■
今年は新型コロナウイルスの影響もあって、研究の進みは遅かったです。でも、研究室での生活をあまりツラいと感じたことはありませんでした。部活動をゴリゴリやっていた頃に比べたら、体力的には楽でしたね(笑)。

吉村■
そうですね。夏前にやっと研究室に出てこれるようになったのに、7月からは大学院入試の勉強に時間を取られてしまいました。結局、実際に自分の研究テーマが決まったのは9月に入ってからでした。
菊地研には分析機器などの実験装置が豊富に揃っているので、実験を始めたら研究室内で全て完結できる点は非常に良かったです。

福井■
最初に研究を始めた頃は先輩のマネをしていたのですが、全くうまく行かなかった。いろいろな人と話せば簡単にわかることなのに、間違いの理由に気付けませんでした。そんな経験をしてからは、先生や先輩それに同級生同士でも、積極的に話を聞くようにしています。

<卒業論文のテーマは?>

福井■
MRIという画像診断装置の感度を高めるための造影剤の開発を行いました。生体の特定の部位や臓器に集積させて、光らすことで画像化します。大学院に進んでも、同じテーマで研究を進める予定です。

福田■
私は膜タンパク質の内在化過程を検出するpH応答性のプローブを開発していました。タンパク質と結合するかどうか、膜を通り抜けるかどうかの違いをpHで評価・検出する研究です。

吉村■
私が開発していたのは、骨表面のpHを計測するプローブです。表面では骨吸収と骨形成という、相反する現象が起こっているのですが、その過程をpHの数値で定量的に理解するためのプローブです。

福井■
生物に関する問題や知りたいことを、化学的アプローチで解決・解明しようというのが菊地研のテーマですね。

大学院進学への思い

■福田
卒論では発表が5分に質疑応答が2分でした。それが修士論文では発表15分に質疑応答の時間は7分もある。先輩たちの修士論文の発表を見ていても、卒論とはレベルが全然違うんですよ・・。いろいろ大変になってくるのかなと、少し不安ですね。就職先の業界はこれから考えていこうと思っています。

■福井
今はまだ化学の研究者としてやっていけないと思っていますので、まずそこからレベルアップする2年にしたいと思います。修士課程修了後は企業で働きたいと思っていますので、就職活動もやる予定です。

■吉村
私も修士課程修了後は社会に出たいと思っています。先輩からはM1の早いうちから考えた方がいいと聞いているので、化学を活かせる業界を、これから探していきたいです。

受験生にひと言

■福田
応用自然科学科は授業も結構忙しいですが、やればやるだけ自分の力になります。私も厳しいクラブ活動をやりつつ、卒業できたし大学院にも合格できたので、ぜひ勇気を持って頑張ってほしいと思います。研究室には意外とスムーズに馴染めますよ(笑)。

■福井
化学系の研究室に対しては、白衣で孤独に実験しているイメージを持っていたのですが、そんなことはありませんでした。他の学年の方とも話せる機会が多いし、同期同士でも楽しくやれています。ここに来たら絶対楽しいです!

■吉村
化学系は実験が多いので、どうしても拘束時間は長くなりがちなのですが、それでもやればやるだけ力がつく世界です。ぜひ、応用化学専攻に来て一緒に頑張りましょう!

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