インタビュー

修士課程卒業生インタビュー 「刺激あります!応用化学」

大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻
博士前期課程2年 
塩地 優樹(宇山研)

大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻には内部進学者、他大学からの進学者などの他に、各地の高等専門学校(以下、高専)から編入してきた学生も多く在籍します。今回は神戸高専から3年次に編入した博士前期課程卒業生に、阪大での学生生活についてお話をうかがいました。

中学の授業で化学に目覚めた

中学生のとき理科の授業で化学を習って「こんな面白い学問があるんだ!」と感じたことをはっきり覚えています。液体の色が変わったり見た目で直感的に理解できる一方で、反応を式で表すことができたりするところが不思議で面白かった。それから化学が好きになり、神戸高専応用化学科に進学し、5年で卒業してから阪大工学部応用自然科学科の3年に編入しました。

高専の情報センターを活用して情報収集

高専3年のときに阪大編入の説明会が神戸高専であって、応用化学専攻の大橋准教授(当時生越研、現在大阪公立大学理学部教授)が説明に来られたのです。そのとき神戸高専を卒業して生越研で博士号をとった先輩も一緒に来られて、いろいろお話を聞くことができました。最先端の研究ができることに加えて、高専4年、5年次の単位が阪大の一般教養の単位と認定され3年に編入できることを知り、阪大志望が固まりました。大学によっては編入者は浪人生扱いで2年に編入するところもありました。

大阪大学3年編入時の入学式会場で「頑張るぞっ!」

神戸高専の中には大学編入のサポートをしてくれる情報センター室があって、そこに各大学/大学院の情報が集まり、単位制度の情報や編入試験の過去問なども入手することができます。それに加えて、高専の先輩方から受験準備の方法や、おすすめの参考書などの話を聞いて、準備に役立てていました。
今あるかどうかは不明なのですが、阪大編入対策に関するwebサイトも見たりしていました。

大学時代は旅行も楽しみました(これは熱海)

ワールドワイドな雰囲気が刺激的!

宇山研での研究室生活では、留学生との交流が刺激的でしたね。タイ、アゼルバイジャン、ベトナム、フィリピン、台湾、中国、韓国・・。4年の配属当初は英語が得意じゃなかったので戸惑ったのですが、そのうち慣れてきて、英語が聞き取れるようになってきて、自然にTOEICのリスニングパートの点数が80点以上がりました。研究室から出ても、学食をはじめとするキャンパスには留学生たちが多くて、大阪にいながらワールドワイドな雰囲気が感じられるのも阪大の特徴ですね。

応用化学専攻全体の印象としては、研究に熱心な方が本当に多いです。サボったり、曲がったことが許されない感じがあります(笑)。 これは余談ですが、酒豪が多い専攻でもあります。今はコロナの影響で無理ですが、4年生が研究室に配属される日の、新歓コンパの盛り上がりがスゴくて、化学棟全体が居酒屋ビルになる感じです。

くっつきにくいハイドロゲルの接着に成功

私は高専時代から高分子化学に興味を持っていました。モノマーであるグルコースは簡単に水に溶けるのに、セルロースというポリマーになると水に溶けない。こういう現象に興味を持ったのです。そんなこともあり、社会実装に近いポリマーの研究をされている宇山教授の研究室に入りました。

修士論文のテーマは「水溶性セルロース誘導体とポリアニオンの高分子コンプレックス形成によるハイドロゲルの接着制御」。ハイドロゲルというのは紙おむつの吸水剤やコンタクトレンズ材料に使われている水分を多く含んだ柔らかい材料で、生体材料によく使われています。ただ、水分が多いのでハイドロゲル同士をくっつけることが難しいという弱点がありました。生体組織の代替材料として人工筋肉などの実用化を進めるためには、この弱点を克服する必要があります。私は多糖とアニオン性高分子の対イオンを介した特殊な相互作用(弱い結合)を利用して、ハイドロゲルの接着に成功しました。加えて、温度によってその接着を制御できることも見いだしました。この研究成果は生体模倣材料の造形や補修などに役立ちます。私の研究では人工高分子を使いましたが、将来的に天然物由来の高分子に応用できれば、工業的な応用だけではなく、医療用途への応用が期待できます。

ディスカッションの重要性に気付かされた修士論文発表

修士論文発表会では、自身の研究室生活で一番の発表ができて、すごくスッキリしています。宇山研の先輩や留学生たちとのディスカションを通じて、修論発表では大体こういう質問が出るだろうなという感覚を掴むことができ、本番でも想定内の質問が多くてスムーズに答えられました。いろいろな方の話を聞いておくことの重要性に気付かされたいい経験でした。

教授推薦で総合エレクトロニクスメーカーへ

M1の春から就職活動を始める人が多く、M1の夏からインターンシップに参加する人が多かったですね。私は教授推薦で総合エレクトロニクスメーカーへの就職を決めました。ICTやIOTに不可欠な電子デバイスの材料にも高分子の知識が必要なことを会社説明会で知り、この企業への就職を決めました。配属予定の電子材料グループでは、世界最先端の材料開発に取り組みたいですね。

阪大応化は刺激に溢れていますよ!

阪大編入後は高専時代にはいなかったような、すごく頭のキレる方達に出会い、勉強だけではない能力の凄さを体感しました。「どうやったらこんな考え方ができるの?」という場面が多かったですね。

そして大学の研究では、勉強ができること以上にコミュニケーション力や発想力が大事なことを痛感しました。私自身、修論のテーマがなかなか定まらなくて大変な思いをしたのですが、先生の発想で背中をひと押ししてもらうと、どんどん研究を展開できたのです。この経験で、研究の道で生き残っていく知恵は教科書には書いてないのだと実感しました。 阪大の応用化学専攻は刺激的な成長経験ができる場ですので、ぜひ目指して欲しいと思います。

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