インタビュー

修士課程修了生インタビュー
「来た甲斐あった、阪大応用化学専攻!」

大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻博士前期課程2年(2023年3月時点)

圓城 智也(南方研)
奈良工業高等専門学校(以下、奈良高専) →岡山大学工学部 化学生命系学科3年次編入・卒業→大阪大学工学研究科応用化学専攻博士前期課程入学
修士論文テーマ:「水中へ分散可能なドナーユニットを有する分子内電荷移動型ジベンゾフェナジン誘導体の合成と光物性」

内田 健太(鳶巣研)
岡山大学工学部 化学生命系学科卒業→大阪大学工学研究科応用化学専攻博士前期課程入学
修士論文テーマ:「フェナレニル型配位子を有する開殻低原子価ゲルマニウム錯体の合成と反応性」

3月23日大阪城ホールで令和4年度大阪大学大学院の学位記授与式が行われました。応用化学専攻には内部進学者の他に、他大学からの進学者も多く在籍します。今回は、岡山大学から進学され、2年間博士前期課程で学んでこられたお二人にお話をうかがいました。

左から内田さん、圓城さん

学ぶほどに興味が湧いた化学の世界

圓城■
中学のときは化学というより、理科の授業や実験が好きでした。そのうち化学の仕事がしたいと思うようになりましたが、受験勉強はしたくなかったので推薦で奈良高専の物質化学工学科に入学し、5年間学ぶうちに化学に興味が湧きました。そしてインターンシップを経験したときに、化学分野で手に職をつけるにはもっと実験ができないとダメだと感じ、大学の3年次に編入しようと思うようになりました。編入先は阪大を意識したのですが、阪大の編入試験の数学があまりに難しくて心が折れました(笑)。それで推薦で入れる岡山大学に進みました。実験は大好きなのですが、受験勉強はしたくなかったんです。

内田■
大学入試までは理科や数学が好きで、入学後に化学・物理・生物からコースを選ぶことのできる阪大を前期試験で受けたのですが落ちてしまって、後期試験で岡山大学工学部の化学生命系学科に入学しました。その後、大学で化学を学ぶにつれ有機化学が面白いなと感じてきました。学問として学ぶだけでなく、実際に自分の手で分子をつくれるところに惹かれて、それからずっと有機化学をやってきました。

研究者の理念に惹かれて鳶巣研と南方研へ

内田■
岡山大学で所属していた研究室の教授が退官されることはわかっていたので、学外の大学院に行くことは既定路線でした。そこで教授と相談しながら、いろいろな大学の研究室をいくつか選んで悩んだ結果、阪大の鳶巣研を選びました。阪大に来たというより、鳶巣研に来た感じです。反応開発全般をやりたかった私は、鳶巣先生の「何をつくってもいいから面白いことをやろう。こだわりを持たずに、見てくれる人が驚くようなことをやろう」という理念に大いに共感して、鳶巣研を選びました。

圓城■
私は大学院受験の検討時期に、研究内容に興味を持っていた南方先生とオンラインで何度か面談させていただきました。そのときに「発光材料はただ光らせるだけやなくて、なぜ光るか?なぜその現象が起きるか?そこを突き詰めないと意味がないんや」と口が酸っぱくなるほど仰られて、そういうところに惹かれて南方研に行こうと決めました。

力を合わせて乗り切った大学院入試

内田■
大学院入試の前がコロナ禍の時期で研究室訪問ができなかった代わりに、鳶巣研の先輩方とオンラインで面談したりメールのやりとりができる機会を多く設けていただけました。我々にとっては情報を教えてもらえる機会が増えて助かりました。過去問については、最新5年分はwebサイトで公開されていますが、解答は公開されていません。なので、同じ研究室だった圓城君と答え合わせをしながら過去問対策をしてました。

圓城■
阪大の大学院入試は過去問を解くだけでは無理な印象でした。問題もどんどん変わってきますので、基礎的な部分をきっちり押さえておかないとダメだと思っていましたね。私は阪大で使われている有機化学の教科書を調べて、その章末問題を解いたりしていました。内田君とはお互いに知った情報は全て共有して、力を合わせて院試を乗り切りました。

内田■
一人で院試対策をするよりはずっと良かったと思いますね。院試の前日も、圓城君とホテルで一緒に過去問を解いてましたよ(笑)。

M2の夏に米国モニュメントバレーに旅行(内田さん)
吹田祭のサッカー
休日に音楽フェスに参加(圓城さん)
夏休みに茨城県のバンジーに挑戦。研究も遊びを好奇心旺盛!(圓城さん)

応用化学専攻の研究者はギラギラしてます

内田■
阪大の応用化学専攻に来て一番感じたことは「優れた論文を出すぞ!」という、教員の方たちの意気込みの激しさ。特に反応開発を目指す研究室が多いので、競い合ってる感が凄いです。

圓城■
確かに、他の研究室の情報は結構入ってきますね。「あそこの研究室が、あのジャーナルに論文を出した!」とかいう話は本当に多いですね。教員の方々は、研究面ではギラギラされています。

内田■
あと、阪大の応用化学専攻は設備が本当にしっかりしていて、特に分析面で研究環境が整っているなと感じました。

圓城■
確かに、阪大の中で研究を完結できるという環境は素晴らしい。私もいろんなことができました。

研究室で有機金属若手の会に参加したときの集合写真 (前列右から二人目が内田さん)

質疑応答をしっかりやる修士論文発表会

圓城■
阪大の応用化学専攻は発表に重きを置いているというか、発表をしっかり聞いてもらって、質疑応答もしっかりやるというイメージがありました。なので、事前の質問対策はしっかりやりました。発表を終えてホッとした、というのが正直な感想です。

内田■
修論発表前には、専門外の先生に自分の研究内容をわかりやすく伝えるために、指導教員の先生と発表内容を何度も練り直したりして良いものにしようと努めました。実際の質疑応答では、質問をたくさんいただけたので、よく伝わってよかったなというのが感想です。発表前は緊張しましたが、本番が始まってしまえば結構落ち着けて発表に入り込んでいた感じです。

就活に効く阪大応化ブランド

圓城■
早い人はM1の夏から就活は始めてますが、私はデータを出すことに必死だったので、M1の年末ぐらいから始めました。応用化学専攻の推薦を使った一社決め打ちで、化学メーカーから3月の2週目に内定をいただきました。研究をしっかりやっていれば就活の面接は大丈夫です。ちゃんと企業の方に評価していただけると感じました。学外からの進学者だから、研究期間が短くて不利だと思うこともありませんでした。

内田■
私が就活を始めたのはかなり遅くて、M1の2月半ばぐらいからでした。推薦ではなく一般枠で数社にエントリーシートを出して、内定を複数社からいただき、雰囲気が合っていた半導体材料や化成品を開発しているメーカーに決めました。決まったのは4月の2週目ぐらいなので、推薦の方よりも少し遅い感じでしたね。インターンシップはオンラインだったので、正直、会社の雰囲気を知ることはできませんでした。

阪大の応化には、学生の数よりはるかに多い推薦が企業から来ているので、一般の就活がダメでも安心です。化学分野での就職ならなんとでもなる感じです。

圓城■
確かに阪大応用化学ブランドは、就活にはよく効きました(笑)

院試で悩む学外の学生は迷わず阪大応化を目指すべき!!

内田■
学外から阪大の院試を受けるかどうか悩んでる方は、研究生活はハードかもしれませんが、設備も整っていて、熱意のある先生のいる阪大を選ぶべきだ思います。

圓城■
岡山大学の場合、院試日程が阪大とかぶっているので、阪大を受験したら岡山大学の大学院を受験することはできません。でも、受験日程が異なる他の大学院も多いので大丈夫です。多分、行く大学院がないという状況にはならないと思います。

内田■
そうですね、大学受験と違うのは、日程さえ合えば大学院受験はいくらでも併願ができることです。

内田・圓城■
阪大応用化学専攻は挑戦し甲斐がありますよ!!

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