インタビュー

博士後期課程修了レポート
① 博士学位記授与式 ② 卒業生インタビュー/「やりたい研究」であっという間の5年間!

クラシックな装いでの博士学位記授与式

3月24日大阪大学銀杏会館で大阪大学大学院工学研究科博士学位記授与式が執り行われました。

今回の学位授与式は新型コロナ感染症に配慮して、席は1つおきに間隔をとって学生が着席。学位記の授与も一人一人に手渡しするのではなく、専攻名が呼ばれたら応化の学生がその場で立ち、一人ずつ名前を呼ばれた学生がその場で声を出さずに一礼だけをするという新しい形式で進められました。

式後の会場で、卒業生全員揃っての記念写真をパチリ!
(写真撮影の時だけ、そっとマスクを外してもらいました)

阪大工学研究科の博士学位記の授与式がこのようなクラシックな装いで執り行われていることをご存知の方は、意外と少ないのではないでしょうか?

晴れやかな表情が印象的な皆さんの、ますますのご活躍をお祈りしています。

卒業生インタビュー

博士後期課程3年 田宮 俊樹さん
京都工芸繊維大学 工芸科学部 高分子機能工学課程 卒業 → 大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻博士前期課程入学 → 同博士後期課程入学。

「やりたい研究」を突き詰めるために、京都工業繊維大学卒業後に阪大応用化学専攻博士前期課程に入学した田宮さん。その後、博士後期課程に進み、今春博士学位を取得されました。D1在学時にもインタビューに答えてくれていた田宮さんに、博士学位を無事に取得した今のお気持ちをお聞きしました。

田宮さんの過去の記事はこちら
https://www.applchem.eng.osaka-u.ac.jp/blog/20190204-1/

学位授与式が終わって、今のお気持ちは?

まず、博士論文発表会は思っていたより楽しかったです。実は以前に、先輩方のインタビュー記事で「博士論文発表会はとても楽しかった」というコメントを見て、「これホンマかいな・・!?」って思っていたのですが、いざ、やってみたら本当に楽しかったんですよ(笑)。いい思い出になりました! 大学院での5年間を思い返すと、入学時は「あと5年もあるのかー」と感じていたのですが、いざ、卒業してみると、あっという間でした。辛かったこともありましたが、基本的にやりたいことをできて「楽しかった」印象が強いので、短く感じたのかもしれません。宇山研では、先生の助けを得ながら、自分で計画を立てて研究を進めていくのですが、その行程が私自身にとっては楽しかったです。もちろん、研究計画の基本となる種(タネ)の部分は先生からいただくのですが、そこからどう展開してどんなモノをつくっていくかは自分で考えていきます。

ご自身の研究についてご紹介ください

博士論文のタイトルは「ポリヒドロキシアルカン酸複合材料の界面親和性改善に関する研究」。微生物由来プラスチックであるポリヒドロキシアルカン酸 (以下、PHA)を使った複合材料の開発についての研究です。最近はプラスチックに関する環境問題もクローズアップされてきていますので、従来の石油由来プラスチック(以下、石油由来P)に置き換わるような、PHAの物性の改善・高機能化に関する研究をしてきました。PHA単独では強度が低くて、まだ実用化が難しそうなので、そこを複合材料化でなんとか改善して社会実装に繋げていこうとしていました。PHAを石油由来Pやシリカ粒子と混ぜ合わせても、なかなかうまく馴染んでくれないので、そこをなんとかうまく馴染ませようと苦労していました。

実験に使うサンプルは企業からご提供いただいたものだったので、企業の方と交流する機会も結構多かったですね。

学生生活の集大成、博士論文

博士号取得までの道のり

博士号を取るには論文3本を発表しなければならないのですが、最初の1本がなかなか出せなかったときはしんどかったですね。いいデータがあまり取れずに、出しては不採用、出しては不採用が続きました。そんな経験も生きて、博士後期課程の3年目でようやく1本目が採択されました。その後は、緊急事態宣言で自宅にこもることになり論文執筆に集中できたので、トントンと2本続けることができました。

私自身は結構ナマケものというか・・・、のんびりマイペースな性格なので、学会の要旨なんかもギリギリに出したりして、宇山先生にはよく怒られてましたね(笑)。自分ではわかっててもなかなかそういう部分は直すのが難しいんですよね(苦笑)。おかげさまで、大学院の5年間で少しは成長できたかなと思っています。(宇山先生、大変申し訳ございませんでした)

公聴会後の1コマ

研究こぼれ話

12月の博士論文発表会が終わってからは、論文3本が既に出ていたということもあって、今までの研究と全然違う材料を使った実験を後輩たちと一緒にやってみました。その結果、あと何本か論文が書けそうなデータがとれました。正直いうと、自分の3本の論文のときよりも、楽しめて、意義のある成果がラクに出たような気がしています。それまでの経験で発想の引き出しが増えて、無意識に良い発想が出てきたのかもしれない。それに、3本も論文を書いた経験から、書くスピードも上がっていますしね。こういう経験もできるので、博士課程はいいところだと思います。

5年前に勇気を振り絞って、学外から阪大の応用化学専攻に来て本当に正解だったと思います。ここは断言できます!!

就活と進路について

私は民間企業への就職を希望していたので、「博士早期選考」を実施している企業を対象に就活を行いました。博士早期選考が始まるD2の秋からいろいろな企業に希望を出して、何社かの面接を受けてAGC(旧 旭硝子株式会社)に決めました。大学全体としての推薦応募という形もあるのですが、私は自由に動きたかったので一般選考で受けました。ちなみに博士早期選考を実施している企業は大手が多かったので、どこもかなり競争は厳しそうでした。

今後の豊富を

大学と大学院で9年間も親に負担をかけていたので、卒業後はめっちゃ働いて、恩返しをしたいなと思います。母親も口を酸っぱくして言ってきますからね(笑)。しっかり頑張って働いて、稼ぎたいですね。

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