研究トピックス

いろんなタンパク質のN末端に薬剤をつなぐ新技術を開発

タンパク質は、20種類のアミノ酸※1がペプチド結合※2でつながったひも状の生体高分子で、折りたたまれた構造をもっており、すべての生物において様々な重要な役割を果たしている巨大な分子です。

タンパク質のある特定の一つの原子に対して選択的に、数を厳密にコントロールして、さらに簡単に、目的の分子をつなぐ技術が、バイオ医薬品、検査試薬、タンパク質材料などの幅広い分野で求められています。

今回、応用化学専攻の小野田晃准教授、大学院生の井上望氏(博士後期課程)、住吉永伍氏(博士前期課程)、林高史教授らの研究グループは、タンパク質のN末端※3へ選択的かつ簡単に分子をつなぐことができる新技術を開発しました。

図 タンパク質のN末端に分子をつなぐ今回の技術の概要

これまでタンパク質N末端に選択的に分子をつなぐための修飾剤は、多段階の製造工程が必要でしたが、今回の新技術では、わずか1工程で製造可能になりました。この技術は、現在報告されているN末端選択的なタンパク質修飾法の中で、最も簡単で、高い選択性があります。抗体※4-薬物複合体やペプチド医薬などのバイオ医薬品、検査試薬、タンパク質材料などへの幅広い応用が期待されます。

また、この成果は大阪大学よりプレスリリースされ、読売新聞、日本経済新聞、日刊工業新聞、化学工業日報の記者の方に取材を受けました。

記者会見での写真(左から林先生、D3井上さん、小野田先生)

※1 N末端(アミノ末端)
タンパク質を構成するペプチド鎖の端に位置するアミノ酸残基のうち、アミノ基を有するものです。もう一方の端でカルボキシル基を有するものをC末端(カルボキシル末端)と呼びます。

※2 アミノ酸
アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)の両方を同一分子内にもつ有機化合物で、タンパク質の主要成分です。

※3 ペプチド結合
タンパク質やペプチド(アミノ酸が2個以上つながったもの)中で、アミノ酸残基間を結合する酸アミド結合の一種で、-CONH-で表されます。一方のアミノ酸のα-カルボキシル基と、他方のアミノ酸のα-アミノ基が脱水縮合することによって生成する化学結合です。

※4 抗体
抗原に特異的に結合するタンパク質で、抗原刺激の結果による免疫反応によって生体内に誘導されます。

本研究はこちら
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2019/20191219_1

研究グループはこちら
http://www.applied-bioinorganic.jp/jp/

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