インタビュー

工学賞受賞者に聞く①
お箏(こと)も化学も誠に楽しい!

応用化学専攻博士前期課程 1年 釘宮 里奈(宇山研)

<大阪大学工学賞とは>
大阪大学工学賞は、学部4年間の成績優秀者に送られる工学部独自の賞。応用自然科学科応用化学科目からは2名が選ばれ、受賞者には工学部長より賞状と記念品が送られます。

工学賞受賞にはビックリ!

学部4年の2月頃、指導教員から工学賞受賞のお知らせをいただき、かなりビックリしました。嬉しかったのですが、私は工学賞という制度を全く知らなかったので、あまり実感が湧かなくて・・・(笑)。頑張って授業に出て、幅広い科目をきちんと勉強してきてよかったです。

高校でのグループ学習が面白くて化学の道へ

私は以前から理科の実験が好きでしたが、化学の面白さに目覚めたのは高校のグループ学習から。例えば「濃硫酸を希釈する」という課題に対し、滴定のときにはどの試薬を使い、器具は何を揃えたらいいかとかを自分たちで考えて、先生に確認しながら実験を進めていくんです。このグループ学習で「化学の世界って具体的にこういうことをするのか!」とイメージがつかめました。今でも面白い授業だったなと思い出します。

自分の周りは化学でできている

私にとっての化学の魅力とは、自分の身の回りにあるモノに関係することを学べることです。自分たちが実際に使っている製品に応用されている化学にとても興味がありました。そんな感じでしたので、大学入試では理学部ではなく工学部を選びました。学べば学ぶほど、自分の周りの社会が化学でできていることがわかっていくところが化学の面白いところですね。

授業の後はお箏の演奏

学部時代は銀簫会(ぎんしょうかい)というお箏や尺八などの和楽器を演奏する大学公認団体で、お箏の演奏に打ち込んでいました。全部で10人ぐらいの団体で、授業終わりにある週2回の練習では納得いくまで練習していました。

銀簫会の仲間たちと(後列左から2人目が釘宮さん)

練習成果の発表の場であるまちかね祭(学祭)や定期演奏会のときは、和裁師の祖母がつくってくれた着物を着て演奏していました。例年、定期演奏会も公共施設のホールで春と秋に開催していたのですが、コロナ禍の時期は無観客のオンライン配信で乗り切りました。

演奏風景(右端のお箏、薄緑の帯が釘宮さん)

私はずっと音楽系なんです。子供の頃からピアノとバイオリンやっていて、高校のときは地元のオーケストラでバイオリンを弾いていました。最近は、久しぶりにバイオリンをやってみようかと思ったりしています。

新選組推しの歴女です

私はかなり歴史好きでもありまして、司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」を読んでからは新選組が好きになりました。お気に入りは土方さんと沖田さんです。京都に行ったときは壬生寺とか新撰組の資料館に足を運び、かなり感動!! ようやくコロナ禍も落ち着いてきたので、お寺、史跡、お城などを巡る旅行に出かけたいですね。

自己修復性ハイドロゲルを研究中

私が研究でしている自己修復性ハイドロゲルは、一回壊れても可逆反応で修復できる材料です。ハイドロゲルを切った後でくっつけておいて、ちゃんと元に戻っているのを最初に目にしたときはとても驚きました。ヒアルロン酸とグルタミン酸のハイドロゲルなら、切れ目がわからないぐらい修復されます。 卒業研究では、生体適合性のヒアルロン酸由来のハイドロゲルにヒドロキシアパタイトという骨の主成分を導入して、実際に骨とハイドロゲルがくっつくところまでは確認できました。ヒアルロン酸が高価なので、大学院進学後は安価な代替物質としてデンプンを使えないか研究中です。

宇山研では食の異文化交流も!

宇山件には留学生がとても多く在籍されており、ちょっとしたパーティーがあると、出身地の料理を作ってきてくれます。めちゃくちゃ辛いけどすごく美味しい四川料理や、スパイシーな味がクセになりそうな東南アジアのつけ麺とか、本当に楽しいですね。食の異文化交流という感じです。

宇山研の留学生が作ってくれたお料理(ビーフン、キンパ、天ぷら、つけ麺など)

国際学会への参加を目標に

修士課程に進むと、年に数回は学会に出る機会があるので、それも楽しみにしています。今も5月に群馬県で開催される学会に向けて、頑張って実験を進めているところで、その学会では15分の口頭発表をする予定です。今後は海外での学会に参加できる機会もあるので、それを目標に頑張っていきたいと思っています。

応用化学専攻は刺激的!

応用化学専攻のいいところは研究環境と人。最新の設備を利用して研究できるうえに、周りの方々がみんな優秀なので、意見を交わして議論しながら、学問分野や研究に対する理解を高めていけるのが大きな魅力です。例えば、研究テーマが全然違う同期の友人から「これってなんでなん?」と意外な質問を受けることで、新しい着眼点に気づくこともあり、そういうところが刺激的です。

宇山研での経験をものづくりにいかしたい

今のところ、修士課程を修了したら就職しようと思っています。生体系材料に限らず、ものづくりに関わることのできるメーカーを希望しています。私は環境に優しい材料やバイオポリマー関連の研究をやっているので、そういう経験を生かせる企業に進めたらいいなと思っています。

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